チュン二郎、大往生
娘が「ちょっとチュン二郎やばいかも」と、仕事明けで寝ていた私のところに来ました。
鳥かごを覗くと、針金床にベタッとなってて、時々バタバタっと痙攣を起こしている状態。 娘や私の声にも反応がありません。
それまでちゃんと止まり木に止まっていたのに、突然ガシャンという音とともに落下し、その後しばらくパニック状態で暴れた後、こうなったそうな。 尾羽をよく見ると呼吸も乱れていて、小動物ゆえにもう何も施すことはない、つまりは寿命というのがすぐにわかりました。
思えばこの家に生まれたての雛で来てから11年間、セキセイインコとしては長寿で、短命だった初代(先代)の分も生きてくれました。
世話係であった娘は、大学の試験があるから、と最後を看取れませんでしたが、ここ数年はどんなに疲れててもちゃんと水とエサを毎晩交換していただけに、今日帰ってきて、小さい紙箱に横たわっている姿を見せるのが気の毒です。
就職して以来、滅多に家に寄り付かなくなった息子ですら、LINEで送ったまだ息絶え絶えだった時の写真を見てすぐに返事を返してきました。(見とるんか〜い!! いつもスルーやんけ〜っ)
肩に止まった時に声をかけると、明らかに普段と違う声で何か喋り出し、でたらめながらも「そうなんや」「へ〜、それはよかった」とか相槌を打つと、会話をしている気分になるのか、ますます得意げに喋り続けていたのが楽しかった。 そういえばここ数ヶ月、あまりそれを見せなくなったので、歳のせいかなぁ、と薄々は覚悟していました。
さえずる鳥らしく、音には敏感で、音楽や台所の洗い物の水音によく反応していました。
11年の間、ペットの宿命とはいえ、たった一羽で恋をすることも仲間とも出会わず、幸せだったのかなぁ、と案じることもありつつ、でも間違いなく我が家の面々を幸せにしてくれたことに、ただただ礼の気持ちを伝えるしかありません。
人に触られるのが嫌いだったので、最後の最後、動かなくなってカゴから出す時に初めて手のひらですっぽりと握ることができました。 想像通りのツヤツヤの毛並み(羽並み)で、思わず笑みがこぼれました。
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