国分というアニメの教師が偉大

 もう十年以上前、理想とする男性像はパトレイバーの後藤課長でした。 そのうち歳を取って、老年期には攻殻機動隊の荒巻で、とここまで生きてきました。(あ、実写版の荒巻はクソです。あくまでアニメ版の方)
 
 そんな中、最近新たに「こいつ格好エエ...」と唖然とするおっさんを発見。
 それは「三月のライオン」の二期に登場する国分という教師。
 この作品、本来は将棋がテーマなんだけど、将棋に全く疎遠な私でも十分楽しめる、様々な人模様を現した傑作です。 その一つが中学でのイジメ。 最も生徒が頼りにするはずの担任すら「面倒を起こさないでちょうだい」と逃げる中で、最終的に登場したのがこの学年主任なんだけど、こいつがブレない。

Kokubu

 風体ははっきり言ってダサくて、下手するとヒール役でもいいくらいのアピアランス。 が、この独断と偏見に満ちた私ですら、生徒の気持ちを慮りすぎて言葉に詰まったり濁らせたりすることが多い昨今、この国分は迷いがない。

 いじめの張本人の親が、「うちの娘がいじめたという証拠があるんですか?」と自信たっぷりに詰め寄るのに対し、「証拠?そんなものはありませんよ」と突っぱねる。 「強いて言うなら、いじめられたという生徒のSOSが証拠です」と続け、これに対して「証拠もないのに!」と居丈高に攻める母親に、「じゃ、おたくの娘さんがいじめていないという証拠があるんですか?」と切り返す。
 
 かっけえ〜〜〜
 証拠がないからとのらりくらり逃げまくる、どこかの国の政治家や官僚エリートに見せてやりたい。
 
 まぁ、これだけだとフィクションに有り勝ちな勧善懲悪で終わるんだけど、その後、謝ったんだからもういいでしょ、と開き直るいじめた生徒を呼び出しての個人懇談。
 「先生に私の気持ちなんてわからないよ」
 そうそう、これね。 一見心情の吐露に見えるんだけど、単なる必勝セリフ。 ところがこの教師、
 「うん、だから今聴いてるんだよ。話そうぜっ」
 と切り返して王手。

 いじめた側を単に悪者として突き放すのではなく、指導も忘れない。 しかし相手の甘っちょろい話法に一切ブレない。
 揺るぎないのである。 

 非常勤とはいえ、二十年以上も教職を続けていると、時に何かを悟ったような気持ちになることがあります。 しかしそれは時に危険なことで、より学生の側に立った判断を心がけねば、とも戒めるようにもしています。
 ただ、それはともすれば切れ味の鋭い判断と言葉を鈍らせ、結果として相手に通じないことも経験しています。 そんな中で見たこの学年主任の迷いのなさ。
 
 う〜む、知り合いが徐々に定年だ、早期退職だと言い出す歳になっても、まだ目指せる理想像に出会えたのは嬉しいし、だからアニメ(というが原作は漫画だけど)はやめられない、というわけです。
 
 てなわけで、年齢順に並べ替えると、後藤→国分→荒巻、ということで...
 
※引用:NHK 三月のライオン二期 13話

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吉田美奈子+渡辺香津美がすごい

 一ヶ月ほど前、たまたま妖怪人間ベムの再放送が録画されていたので、飛ばし飛ばし再生。 初放映は1968年ながら、これは2006年に放映された新しい方。 とはいえやっぱり古い。 新しい方とはいえ12年前ですからねぇ...、と物語も終えてED(エンディング)が始まった。
 するといきなり別次元の格好良い曲が。
 
 いや、なんだこれ、アニメのエンディングレベルじゃ無い。 誰だこの静かで格好良いギターは。 あああ、この声もどこかで聞いた声だ。
 と最後までテロップ見たら、歌が吉田美奈子、作曲が渡辺香津美の「八月の永遠」という曲でした。
 
Justice_of_darkness うわわわ、これはすごい出会いだ、iTunesストアで買わなくては、と早速検索するも、未販売。 え?じゃCD?と検索するも、どうやらアルバムで収録は無いみたいで、当時のマキシCDが一万円以上のプレミア価格で出てるだけ。 あ、いや、さすがにそれだけ出すのは...とあがくと、ありがたいことにYouTubeにあがってました。 うん、いくら絶版とはいえ著作権的には問題あるだろうなぁ、これ。
 でも音質も悪くなくて、改めてゆっくりと聴くことができました。

 やっぱり凄いこの二人。 渡辺香津美が複雑なコード進行の曲を書けば、それをことも無げに自分のスタイルで歌いこなす吉田美奈子。 この季節の夕風呂に最高です。
 
 良い曲となかなか出会えないなぁ、とぼやく中、こうした出会いがあると、素直にあぁ生きててよかったと思うのでありました。 その一方で、どこに良い曲が潜んでいるか、誠に油断できない...

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2018年冬アニメの秀作「よりもい」

 ここしばらく、日曜の夜から朝が一番リラックスできるスケジュールになってしまいました。 夜景見ながら酒飲んでほっ。
 で、2018年冬アニメについて書こうと思っているうちに2018春も三話ほど進んでしまいました。 しかも今季は豊作なので、ああ時間が足りない。

 2018年春作品について、以前いくつかのお気に入りを紹介した中、この時点で見続けるかどうか迷っていたのが、「宇宙より遠い場所(略称:よりもい)」。
 だって最初は、あぁこれから女子高生達の日常系自分探しがだらだらっと続くんだろうな、と勝手に想像していたからです。

South

 が、ここがやはり物語は脚本なり監督なんだろうよ、でした。
 いわゆる思春期の女の子ばかりで、恋愛ネタなど一切無く、それぞれが重い思いを引きずっているという設定。 ある者は母を突然南極で失い、いつかは南極に行きたいと思う。 しかし、それを夢で終わらせないためにバイトにバイトを継いでリアルに百万円貯めてしまう。
 その金を元に南極に行きたいという気持ちをクラスメイトにあざ笑われ、ある者は些細な裏切りで高校を辞めてフリーターになってしまい、ある者は南極出発直前に幼馴染に裏切られ、ある者はアイドルの地位にありながら自分の存在を見出せない、などなど。

 そして彼らを安易に南極に行かせて「南極、なんてスケールでかーい」とお悩み解決でもない。 ちゃんと所轄官庁や団体に取材してリアリティを補完し、そして死んだほうがマシと思える程の外海の船酔いも描写する。
 いや、何これ? いつのまにディスカバリーチャンネル?
 
 この時、見続けるかどうか悩んでいた別の作品が「刻刻」。 タイムリープものは結構好きだし、キャラクター原案を勤めた梅津泰臣の絵も好きなんですが、話のテンポが悪すぎた。
 よりもいとの表裏を分けたのは、共に録り貯めた半分の六話あたりをつまみ見した時。 前者はもう南極に向かっていて、刻刻はまだだらだらと情けないオヤジの心理描写とかやってて、ほとんど話が動いていないように見えた。
 この差を見て、あ、やっぱり話のテンポって大事なんだ、と痛感。
 ということで刻刻は切り、よりもいは毎週再生する地位に成り上がり。

 私個人の性格として、話作りをするときにどうしてもリアルにこだわりすぎ、いわゆるファンタジー要素というか、夢が無い傾向になってしまうのが気になっています。 が、よりもいを見て、いや、そこじゃないのかな、リアルにこだわっても夢はいくらでも表せるのだと改めて思わせてくれた作品でもありました。

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とても不揃いなアニメ

015

 今期は、見る/見ないの判別がすぐにできて、おかげで早々にすっきり。
 では不作なのかと言うと、「ダーリン・イン・ザ・フランキス」「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」という毎週楽しみなのと出会い、引き続きの「3月のライオン」とと合わさって、これでロストRE:CREATORSの穴が埋まった、と満足しています。

 で、ここでは「ダーリン・イン・ザ・フランキス」がとても興味深い、まさしくとても不揃いなアニメなのでそこに触れておきたいな、と。

 まぁなにより作画の勝利です。 総監督が「あの花」「あの夏」の田中将賀。 うまい。 相変わらずの黒子的、鳴子的ツインテールの書き方が好きで、EDアニメの揺れる髪の走り姿を見て、これだけでOKかな、と。

 次に声優の使い方と、もしかすると録音技術。
 いわゆる三角関係的サブヒロインとしてイチゴっていう女の子がいるんだけど、この子の声が非常に特徴的です。 こまかいつぶやきが多いにもかかわらず、それがなぜかボソボソとせずに明確に、しかしつぶやきとして小音量で聞こえてくると言う不思議。 声優はこうでなくっちゃね。
 どうやらこの声優はこの役が最初のメジャーデビューらしいけど、それでこの個性はすごいだろう、と。 で、併せて考えさせられるのは録音技術。
 このイチゴ以外にも主役やゼロツーの声が非常にくっきりと聞こえてきます。 録音技術については全くの素人なんだけど、マイクとの距離、コンプレッサーやらノイズリダクションとかすごく考えて録られているんじゃ無いかと想像しています。

 一方の不揃いの始まりはフランクスのデザイン。 なにこれ? 映画版ポケモンのスペシャルキャラクター? というのが第一印象。
 何せロボットなのにアナログな表情が現れる。 どうやら脳波直結のLEDでわざわざ表現しているという設定みたいだけど、ふ〜ん、そうなのか、これはこれで新しい提案なのかなぁ、と。 ここで文句垂れると時代についてゆけない年寄りと石投げられそうなので、わかったような振りをすることにする。

 そして、最悪が叫竜と呼ばれるいわゆる敵キャラというか、モンスターデザインの酷さ。 え?大川ぶくぶが参加?と思ったくらいの酷さで、最低だったのが前回だったか、叫竜のボスキャラみたいなのに生えていたバッファローみたいな角。

 小学生かよ...
 
 岩崎将大って、こんなひどい仕事する人だったのかなぁ...
 
 あと、音楽も特徴的で、EDはいきなりアルファベット三文字、もしくは坂系で、へぇ、結構好きだ、これ、と思って調べたら、作者はそちらの方面の方だったんですね。 わかりやすくて、多分ダウンロードはするんだけど、分かり易すぎて、二度と同じ系統の曲は要らないかもしれません。
 OPもHIDEプロデュースで(って、X JAPANの曲って一つも知らない)、これを中島美嘉が歌うっていう豪華さで、彼女にはガンダムSEEDのEDでは一度惚れ込んだんですけどね。 テレビでライブで歌うのを聴いて、あまりの下手さに幻滅した経緯があります。 
 
 ね、不揃いでしょ? このアニメ。
 
 さておき。 少々年配の方は既にお気づきでしょうが、これ、ガイナックス系の人と触れ合ったスタッフが多いためか、エヴァの影響というか、リスペクトに気づきます、
 多分、ファン的にも綾波 or アスカ的に、ゼロツー or イチゴ派が生まれるのだろうと。

 あぁ、ならば庵野に叫竜デザインやってもらいたかった。 予算的に無理だろうけど...

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俳優と声優は同じではない

 忙しいのである。
 二十日ぶりの休みは、とても貴重。 なのに仕事先から求められた健康診断とインフルの予防接種、そして髪切りで終わった。
 祭日の金曜は、朝だけはゆっくりしつつ、それでも家でPremierの仕事をしていたという。
 んで、この先また二週間ほど休みがないんだけど、よくよく考えてみたらそれらの仕事は全て、それほどきついわけでもなく、とりあえずストレス溜めないようにしていれば11月はあっという間に終わるんだと思います。

 というわけで、相変わらず秋アニメについても先の脚本&監督の見地から少し書けた程度なんで、せめて次はいぬやしきを通じて声優について残しておきたいと思います。
 
 作品自体は好きなんです。 雰囲気も攻殻機動隊っぽいし。 格好いいです。
 ところが残念なのが声優。 というか俳優。
 
 小日向文世、村上虹郎、本郷奏多。 このまま実写ドラマにしても人気が出そうな面々。
 が、所詮は俳優。 声優としてはど素人の下手っぴ。
 
 特に村上虹郎のつぶやき的なセリフは絶望的で、この唖然とした残念感は以前にも味わったな、と思い出したのがスカイクロラの菊地凛子、加瀬亮。 これについてはすでに今回のいぬやしきと同様に俳優を声優に充てる安易さを四年前にボロクソにこき下ろし済み。

 さて今回は誰が横槍入れたんでしょうね。 というか、そんな客寄せパンダがいなくても十分面白い作品なのに。
 村上虹郎の「ばーん」とか「言って」とかの下手さはほんと、声優専門学校の良い教材になります。 ベテラン小日向文世ですら、「ぼくは...」というセリフが絵とあっていない。 つまりは台無しなんです。

 俳優の本懐は舞台。 そこではつぶやきでさえPA無しで舞台の端まで聞こえるように、と教えられます。 そうして身についた発声法は、超オンマイクで音を拾う環境とは全く違うことを素人視聴者でもわかっているにもかかわらず、このキャスティング。

 制作横槍側が声優を俳優より一段下に見ているのがはっきりとわかるこの迷作(?)、とりあえずストーリーとしては毎週楽しみにしています。 だから余計に残念。
 
 「ばーん」(トラウマになりそうなほど、ど下手すぎて笑う)

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やはり脚本や監督が骨だろうよ

 津山紀行ものがしばらく続いたせいで、2017夏アニメの感想とか秋アニメの見通しとか全く書けておりません。
 そんな中、ぜひとも書いておきたかったのがプリンセス・プリンシパルの終わり方。

 この作品、前にも書いたように、大河内一楼脚本だっただけに非常に楽しみに見てて、実際、言っちゃなんだけど、全体は平凡なレベルであったにもかかわらず、毎話楽しませてくれていました。 この次回を待ち遠しくさせてくれる仕組みこそがコードギアスで知った大河内マジックなのですが、最終回がどうにも変。
 
 大河内さん、どうしたの〜?と慌てたら、どうやら最後の二話のみ脚本家が違う。 まとめサイトみると「好評だったので二期へのつながりを急遽作るため、すでに脚本を完成させていた大河内に代わって他の脚本家を入れ、無理やり流れを変えたんだろう」という指摘があり、私もこれに賛同。
 ところがこの発言に対し、「すぐに脚本だの監督だのという奴がいるが、いいアニメにそんなものは関係ない」なんてコメントがついていて、あらら、そりゃちがうだろうよ、と。
 
 具体的に説明すると、12話でプリンセスにマカロンを勧めた空腹少年兵に「一緒に食べましょう」と蒔いた伏線が回収されていません。 大河内は多分、その後ゼルダがプリンセスの脚を撃ち、さらに頭に銃を向けた時に少年兵が救う、という筋を考えていたんじゃないかと想像できます。 
 そもそも国の特務機関とはいえ、スパイ風情が王女に銃を向けられるわけがないし、最終場面が突然の地中海とか、関係者の都合という横槍が入って脚本が変わると、こうも完成度が落ちてしまう分り易い証拠と言えます。 惜しい。


 別の作品でこれを語ろうとすると、今季やっているJust Becauseという作品。 この脚本が鴨志田一という人物なんだけど、私がこの名前を覚えたのはガンダムオルフェンズ。
 一期で三日月とラフタという戦闘の天才が死闘を展開した回、あ、こりゃどっちかやられるかな?と思わせた大詰めの大詰めで名瀬の休戦無線。 と同時にミーシャのEDイントロが流れ出すという演出が非常に感動的だったからです。
 まぁこれが脚本なのか監督なのか演出なのかは知る由もありませんが、この時あわてて鴨志田一の名前をwikiで探しても、まだこの時はラノベ系小説家程度しかわからないほどの情報量でした。

 ところがこのJust Becauseでは脚本からシリーズ構成まで手がけるということで、始まってみると、期待通り。 日常会話系なのにテンポがすごく良くて、あっという間に22分が終わります。
 駄作って、ふと時計を見て「げ、まだ十分もあるの?」と閉口してしまいますね? 例として、先シーズンやってたコンビニカレシってのがまさしくこれで、両者ともに高校日常系であるにもかかわらず、その差は歴然としています。 ちなみにあまりにテンポが悪いので途中で切りました。

 ということで、やはり絵も大事、設定も大事とかいろいろありつつ、やはり構成、監督、脚本だろう、というのが私の言いたいことなのでした。

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ジャパリパークにいってきました!

 と描いてあるエコバックを買ったというお話。
 
 長年、毎夕の買い物に使っているエコバッグがボロボロになって来ました。
 そろそろ買い換えないとなぁ、と身近で目にするものは花柄とかババ柄とかピンとくるものが無く、ずるずると使っていたら、底が薄く透けて来て、いつ抜けてもおかしくない状態に。
 
 そしたらたまたまamazonでけもフレのエコバッグを発見。
 値段が安いのと、何よりプリントがシャレていてたのでポチッとな。
 
 よく観光地で売っているお土産の「◯◯に行ってきました」アレンジになっていて、確かにジャパリバスははっきりしてるけど、サーバルとラッキーはよく見てみないとわからない程度の小ささ。
 商品ページのカスタマーレビューにあるように、知らない人にはアニメグッズとは気づかれない、という味付けがなかなかよろしいかと。
 
 ただ、到着した実物を見ると、布地は薄めで、エコバッグ用途では多分長持ちしないと思います。(これもカスタマーレビューに書いてあったので納得済み)
 
 あ、長年使ってたのは、うちの高校が100周年の時に販売してたもので、これまた同窓生?である亡母が買ったものでした。 色はすごいババ紫だけど、なにせ丈夫で、それなりに気に入っていたという...
Japari

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けもフレがSFだと誰も教えてくれなかった

 けものフレンズ、通称「けもフレ」の再放送最終回が北朝鮮のミサイル発射もどこ吹く風、あっけらかんと放映されて終了しました。

 いや、このアニメ、凄いです。 冬の最初の放映前、公式ホームページで絵だけを見て完全にスルーしていた私の判断が恥ずかしい。
 だって猫耳擬人化少女が一杯の扉絵を見て、「これいらない」と思ったのは私だけじゃ無いはず。 ところが、最初の放映が終わった頃、ネットに「あれは2話から見るもんだ」との書き込みも見て、あれ?もしかしてやらかした?と後悔するようになっていました。

 そんな折の再放送、確かに2話で朽ち始めた遊覧バスが出てくるあたりで心を動かされ、エンディングに廃墟になった遊園地の写真が出た時点でノックアウトされました。
 あとは、「『けもの』はいても『のけもの』はいない」というテーマソングの通り、いじめや引きこもりなど面倒臭い人間(獣?)模様がなく、ひたすら安心しながら展開の解釈にのめり込めたのもSFの王道とも言えます。

 食物連鎖を一切断ち切っていることなど、都合主義もありつつ、一方で雪道で動けなくなったバスの車輪にクローラーを嵌めるあたりはめちゃリアルで、そのメリハリがいかにも娯楽作品のツボです。

 で、このあたりではっきり気づきます。
 舞台となった「ジャパリパーク」、最初は「ジャパンにあるサファリパーク」と思ったのですが、「ジュラシックパーク」のもじりであったということ。
 
 そして最後に設定や脚本の凄さで、最終回まで謎を引っ張るということをせず、途中から、カバンの正体や、パークの現状など、視聴者にはほぼほぼわかってきます。 が、それはむしろ計算済みで、我々は次に「なぜ?」「どうして?」とさらなるSF的推理を楽しめるように組んである。

 かつてピンドラのように、早々に切ったアニメが途中から面白くなってた、という後悔から、とりあえずは全部録画し、後からどんどん落とす方法を始めたのに、いつのまにか一話前から公式ページ見て判断する横着を覚えてしまったようです。 今回はたまたま再放送があったから良かったものの、こうしてストーリーテラーとして非常に勉強になる作品を見落としてしまっていたことを反省。

 しかし、こうしてみると2017冬アニメもそこそこ豊作だったんですねぇ...

Kemofure

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2017夏アニメは凶作

 先月中旬までは取引先の都合で大忙し、それが終わったら今度はできるだけ月末までに多く納品したいこっちの都合で大忙し。
 月が明けてほっとしたんだけど、いやいや、仕事があるうちはさっさと詰めるべ、とやってた仕事が突然、先方データの都合で中断。
 いやまぁ、誰が悪いというわけではなく、強いて言えばmpegが赤と線画が苦手だという技術的な特徴が原因なんでどうしようもありません。 はっきりしているのはここ二日ほどの仕事がほぼパーになったことだけ。
 虚しい...
 
 一方、おかげで時間に余裕ができてしまったので、2017夏アニメについて書いてみましょう。
 というか、すでに題名にある通り、大凶作。 いや、先の春アニメが豊作すぎました。
 
 すでに4週ほど経過し、持ち越しを除く新作で毎週録画しているのは、4本のみ。 しかもそのうち一本は15分もの。 春に初期14本録画していたのを思い出すと全滅といっても良いくらいです。
 何より残念なのはSFものがないこと。 なんか「ロボットはロマンだ〜」みたいなのもあったけど、蓋を開けたらでっかいソード振り回しもので、即カット。 あとは異世界、転生、魔法ばっかりでうんざり。 そんなのでも絵さえ魅力的なら見るんだけど、みんなどっかのアニメ専門学校とのコラボ程度で、これまた候補なし。

 あまりに豊作すぎて、春アニメの中で落としてしまったサクラクエストなんて今期やってくれたら見れたのに。 ソード・オラトリア、すかすかも落としたなぁ。
 
 さてさて、そんなお寒い中でも残った4本とは...

■プリンセス・プリンシパル
 ベストはこれかな? 設定もストーリーも大したことないのに、でも次週を楽しみにさせるところはさすが大河内一楼。
 絵は格好良くもないけど、好みというか、「とある」の御坂だよね?ということはJC STAFFだよね?とエンドロール見たら、見知らぬスタッフ&スタジオ。 声優も知らない人ばかり。 いや、あの横顔と等身描画は御坂以外誰でもないんだけど、とか思いつつ。
 微笑ましいのがベアトリスの存在。 名前がリゼロのベア子とかぶってたり、立ち位置がアルドノアのエデルリッゾやクロスアンジュのモモカを彷彿させて懐かしい。 できれば声は水瀬いのりでやってほしかった。
 
 SFとしてはザルすぎるし、設定もちゃちいんだけど、でも見せてしまうというのは絵と脚本力のすごさの証左とも言えます。

■恋と嘘
 不思議な作品です。
 設定は比較的重い、SEEDのディスティニープランみたいなもんですけど、なぜか軽薄。 絵は巨眼の「なかよし」だし、準巨乳やハプニングの抱きつきなどお約束てんこ盛りにBLもあり。
 これって新しい形のハーレムアニメなのかい?と訝りながらも、それでも見ているのは、ちゃんこ鍋的展開かな、と。
 喩えて言えば、脚本教室の先生に「全然、薄い。もっともっと詰め込め」と言われ続けた受講生が、あれもこれもそれも入れ込んでやっとOKが出たような感じです。 でもおかげでこれがセイレンにならなかったわけで、名作と駄作の間の素人感が気に入ってます。 

■徒然チルドレン
 もしかすると、これがプリパルを抑えて今期一かもしれません。
 15分枠の、継続性ありの群像ものなんだけど、笑いの中に十代の恋愛あるあるを詰め込みながらも、ふざけ過ぎてもいない構成がいいです。
 絵も美しくはないんだけど、基礎はしっかりと抑えてある下手さで、いや、女の子のウルウルする顔を見ると単なる下手絵集団でもないでしょうね。 何より無駄に豪華な声優陣が足らないところを補っています。
 あと、コンドームを母親が持たせてくれるBF家訪問シーンとか、いや、これ案外奥深いで、と思わせるショートアニメーションです。

■コンビニカレシ
 これ切ってもおかしくないほど薄いんだけど(春なら切ってた)、薄い割に妙に美形の男ばかり出てくるという、上記「恋と嘘」の反対バージョンとも言える逆ハーレムアニメなのかもしれません。 この無表情なイケメンはどこかでみたような、と考えたらサムライフラメンコが思い浮かびました。(wikiの限りでは両者に関係はないみたいだけど)
 小さいところでは、チャラ男の声がレクリエイターのカマキリ眼鏡だったのがわかってクスッとしたり。


 FAガールズとかID-0、有頂天家族とかロスもひきづりつつ、リアルに一番楽しみにしているのは先期から続くレクリエイターズ。
 中でも13話は総集編でありながら神回という素晴らしさでした。
 
 ホントだよ。

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アニメで見かけた古典物理学

 先の話の元々のきっかけは、放送大学の授業を聞いていて日中の空の色が青であることの原因がレイリー散乱である、という一節。(得意じゃない分野の話を書こうとするとウラ取るのが大変で、効率が悪いです。)

 あれ?これ何かのアニメで聞いたような、と検索をかけたらアルドノアゼロでイナホがアセイラム姫の間違った知識を訂正するシーンでした。
 この時はレイリー散乱だけでなく、雲が白い理由であるミー散乱にも触れていて、恥ずかしながら、ライブでこのシーンを見ていた時には私は全くそのセリフの意味を理解していないことに今更ながら気がつきました。

 一方の授業の方は、自由電子の散乱であるトムソン散乱にも触れており、いやもっと数学が理解できたらワクワクできるんだろうなぁ、と。 いえ、( ^ω^ )などで使う顔文字の鼻のwみたいなのがオメガと呼ばれる記号だったと初めて知ったくらいですから...(いや普通オメガといえば時計で有名なΩだろうて)
Math2

 で、SFには欠かせない、言い換えるとこいつさえなければもっとSF世界にリアリティを感じられたのに、というアインシュタインの相対性理論。 モノは光の速度を超えられんのだよなぁ、よって外宇宙にも行けなければ時間を支配することもできない、というわけです。
 ところが、たった1%程度の理解であっても、光は屈折することで遅延する、だとか、ブラックホールで時間空間がゼロになる、という相対性理論の限界があることはわかりました。 そしてそれを解決する鍵は量子論かもしれないという希望(?)をも知ると、いや、NASAがワープを真面目に研究しているというのもただの無駄遣いじゃない気がしてきました。
Math3

 その一方、相変わらず未来からは人間はおろか単純なメッセージすら「今」に届いてないし、光年を超えて地球外生命が来た痕跡もないしという事実を省みると、やはり古典物理の限界は厳然たる限界なのかという絶望もかき消せません。
 
 放送大学の他の授業で、地球の属する銀河系を包む球体のことをハロと呼ぶことを知りました。 あぁ、これがあの日本のアニメ界の代名詞である作品の(時にSEEDではうっとおしくもあった)球体名の語源であったかと思うと、この散乱と言い、アニメ業界の制作者たちは日々の食うことすらままならない生活にあっても、これまでどこまで無駄知識を蓄えてきたのかと、ただただ尊敬するばかりです。
 
 「知識は必ずしも飢えを凌いでくれるとは限らない。しかし他人ひとに感銘を与えることはできる」
 
 ってか。
 
※引用:放送大学「場と空間の物理 〜電気、磁気、重力と相対整理論〜」

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