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ALS患者嘱託殺人報道への違和感

 ここ二日ほど、goto コロナウイルス全国ばらまきキャンペーンや豪雨洪水を差し置いて題名のニュースが幅をきかせています。
 
 もともと十年前から私は合法的自殺システムを作れ、と訴えてますから、今回の事件は、あぁ楽になれて良かったね患者さん、世話になった二人の医師に感謝しなくてはね、と捉えました。
 
 ところがマスコミはそうではないようで、ご丁寧に安楽死の条件を掲げてこれに該当しないただの金目当ての殺人と非難しています。 え?日々の地獄にいっそ死んでしまいたいと切に願った患者の意志はどこに?
 警察は八ヶ月の間内偵を続け、振込を確認して金銭目的の犯罪だったとても得意げ。 おい、私こないだ健康診断で医者に金払ったぞ。 あの医者も金銭目的だったのか? だったらあいつも捕まえないと!
 
 いや、医者でよかった。 本当に亡くなった患者さんは二人の医者に感謝すべきです。
 使用されたのは睡眠薬、とありますが、今時一般市民が手に入れることができる睡眠薬は百錠飲んでも死ねません。 昔とは睡眠中枢に働くシステムが変わっているそうで、小説やテレビで定番となっている睡眠薬一瓶呑みでの自殺は不可能なのだそうです。(放送大学「睡眠と健康」より)
 しかしそこは本物の医師。 一般には手に入らない医療用医薬品から時代遅れとも言える古典的睡眠薬を選んでして処方してくれた。 おかげで患者さんは文字通り眠るように逝くことができたはずです。 これが素人ならそれこそ役に立たない睡眠薬を大ジョッキ一杯飲ましていたかもしれません。

 またあざといのがカウンターオピニオンとして他のALS患者団体の「私たちの命を否定しないでほしい」というメッセージを扱っていること。
 いや、誰も否定してないやん。 最後の最後まで自然死を望むならそれを誰も否定しません。 むしろその考えを自然死ではなく選択死を選ぼうという人に押し付けるのもやめてほしい。
 
 また父親からのコメントも、可能な限り「娘は金目当ての悪徳医師に殺された」方向に編集してある気がします。
 初期の段階で父親は「やりきれないが、犯人を非難しない」と言っているのに、「せめて最後に会って話したかった」的なコメントを付加しています。 まるで娘の命が奪われたかのように。
 いや、もし最期に付き合わせていたら親父も幇助罪に問われるでしょ。 それを知っていたからネット界のみでけりをつけたわけで、本当に聡明な娘さんでした。
 というようなことは当の父親もわかっているはずですが、マスコミはそれでは面白くないからいつも通り事実ではなく、望んだストーリーへの編集と誘導を加えるわけです。

 身体障害者やジェンダーについては揃って多様な価値観の尊重を唱和するくせに、自らの命の選択である自殺についての多様性については途端に口を閉じてしまういわゆるえせラディカルたち。
 
 視力低下した人や妊婦の身体的困難を疑似体験させるスーツのようなものがありますね。
 ああいうのでALSや末期ガンの苦痛を体験できるものがあれば、今回の事件に批判的な人々に着せてみたいものです。
 どう?これでもまだ生きてた方がマシ? と。
 
 二人の医師は多分有罪となるでしょうが、執行猶予がついて、裁判官の「安楽死に対する一層の社会の議論を求める」のコメントがつくことを切に望みます。

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