Swift Playgroundの○と×、そしてCatalistの?(1)
MacFan 4月号にSwift PlaygroundがMacに移植されたという記事がありました。
これまでXcodeでアプリを作成し、いくつかは実際に公開していますが、その間にXcodeの言語は、Objective-C、Swiftとの混在、Swiftのみ、と変化してきました。
正直、Objective-Cは私には難解で、Swiftへの移行がなければ私はXcodeを諦めていたと思います。
しかし一方で、ネットに上がっているライブラリやQ&A、市販本がこの変化についてゆけず、独学で学んでゆくことが難しくなったのも事実です。 もちろんSwiftを教える教室はオンライン・オフライン共にありません。
そんなもどかしい思いを携えていましたから、Playgroundでもう一度基礎から勉強し直せるかも、と惹かれた記事でした。
ただしPlaygroundをMacで動かすには最新OSのCatalinaが必要。 いや、あれ重くて、さらにネットワークとか色々トラブル多いのを学校で経験しているので、あまり気が進みません。
それなら、と余っている外付けSSDにCatalinaをインストールし、それから立ち上げてPlaygroundを動かすことにしました。
まずはEraly 2013のMacBook Pro. Retina 13で動かしてみると...
重い!重すぎるわ!
いや、この愛機、今では少々古いけど、ポートは多種類ついてるし、何よりBTOで3.0G i7(デュアルだけど)にしたので、新しいMacBookと比べても体感的にそれほど遜色を感じません。 なのに、たまたま共にPlaygroundを始めた娘の1.6G i5のMacBook Airと変わらぬ鈍重ぶり。
え? なんで? なんで? なんで?
いや、落ち着いて検証だ、と外付けSSDを外して同じi7ながらクアッドのiMac 27から立ち上げてみる。 するとあれ?なんてことなくサクサク動くぞ? デュアルとクアッドの違いはあっても、アクティビティモニタの振れも全く違う。
そこで気づいたのがGPUの違い。
牛歩のごとく遅い私のMacBook Proと娘のMacBook Airは共にGPUはCPU内蔵のIntel HD graphics 。 対してサクサク動くiMacはNVIDIA GeForce GTX680MX 。 それぞれのFLOPSは333G、770G、3000G。 iMacは桁が違います。
ちょっとショックだったのが二年発売が遅い娘のMacBook Air。 CPUは1.6G i5デュアルに過ぎないのに、さらにクソほど遅いかというとそうでもないのはIntel HD graphicsが倍以上速くなっており、要するにPlaygroundを快適に動かすにはGPU性能が大きくかかわっているということです。
×はそれだけではありません。
「コードを実行」というボタンを押した後、MacBook Pro. RetinaとMacBook Airでは丸い矢印が延々と回って待たされます。 つまりコンパイルエンジンの出来が非常に悪いとわかります。 Xcodeなら、もっと複雑で重いプログラムでも実行と共にSimulatorというバンドルアプリが引き継いでストレスなく表示されるのに、もかかわらず。
Playgroundっていうくらいだから、お下りの少し古いMacで子供が使うことも考えたら、こんなに忍耐を強いる仕様じゃダメだと思わないの?>Apple
いや、それはあんたのMacが古いから、と言われるかもと最新のMacBook Air 2020を調べてみたら、GPUはCore i5-1030NG7というもので、GPUはIris Plus Graphics、FLOPSは1000Gとわかりました。
確かに娘のAirの770Gに比べると進歩しているとはいえ、1.3倍ではPlaygroundは快適には動かないでしょう。
なんでこんな中途半端なことになってるんだろう?と考えてみるに、このPlayground OSX版はもともとのiPad OS版からCatalistという一種のコンバーター的技術を利用して移植されています。
もしPlaygroundがiPad上ではそこそこ軽快に動いているものであれば、このMac版の醜態はつまるところCatalistがダメだからなんじゃなかろうかと想像します。 横着せずに最適化しろよ>Appleプログラマー、と。
すでに定期刊行されているMac雑誌が一誌しかないなかで言ってもしかないけど、数冊競い合っていた頃は、アプリケーションを実際に動かしてみてより便利な使い方や欠点をレポートするコーナーがありました。(実は私はそういうライターをしていた) しかし今はリリースに肉付けしただけのような、いわゆる利用者視点の評価が姿を潜めてしまったのが残念です。
そんなものネットにあるだろう、と言われるでしょうけど、メジャーなサイトも似たり寄ったり。 利用者の本当の声を聞きたければブログやSNSを深く探し回らないと見つかりません。
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