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明確化する貧困(2)

 そう、話は冷凍食品に農薬を入れた犯人について。
 最終的な引き金はボーナス5万円減額査定だったということで、NHKによるとボーナスは夏冬あわせて20万円。 某証券会社が平均100万円の一時金を出すというニュースが聞こえてくる中で一回10万円。 年収200万円ということですから、月給は15万円。 ほかのソースでは12万円という話もあり、う〜ん、田舎とはいえ、決して暮らしは楽ではないだろうと想像できます。
 
 まぁ独身なら何とかなるか、と思ったら、どうやら犯人は妻帯者らしく、しかも流行の大型スクーターに有名アニメのコスプレと、結構趣味でも頑張っていたようで、その実、家計は火の車だったでしょう。 あぁ、他人事ではない。

 多分、ボーナスだけが収入の楽しみだったのでしょう。 せめてそれで息をつきたい、と半年我慢して働き続けてたのに、査定で5万円減。 その時、彼の中で何かが切れたのでしょう。 いえ、健康被害を受けられた方を始めとして、被害を被った方々には本当に気の毒とは存じつつも、多分彼はこれで、人生を捨てる決心をしたんだろうと思うし、それに対してどこかシンパシーを感じないでもない私がいます。
 親会社も含めて二人の社長が引責辞任。 会社は何十億円の損害。 犯人が離婚の上での犯行だったかどうかは不明ながら、自己破産してしまえば、不穏当極まりないけれども「ざまぁ見ろ」です。
 
 会社の記者会見では、犯人のことを「特に勤務に問題があったわけではない」と述べていました。 なのに減額? たった5万円とはいえ、夏冬合わせて20万円なんだから、一回にすると半減ですよ?
 もちろん、会社は会社で元請けから厳しいコストダウンを強要されていることも想像の範囲内です。 もしこれで会社が倒産でもすれば、無関係の社員達はとんだとばっちり。 もうテロと呼んでも良い犯行だったのかも知れません。 でも、ゆえに非正規雇用者達にとって聖戦と拡大解釈される可能性すらある事件でした。

 話を教え子達に振りましょうか。
 数年前の卒業生で、ヲタ絵が非常にうまい男子がいました。 お台場の薄い本フェスでも常連で、それなりに有名なんだそうです。 でもだからと言って、潤沢であるわけではなく、将来に対して、「結婚は無理。同棲は可能。子供は無理」と認識しており、そのリアルな覚悟に驚きました。
 その時感じたのは、とっくの前から若者は自分の将来に対して、かつての我々のような馬鹿げた大言壮語を夢見ることなどは決してなく、むしろ自分のやりたいことを見極めつつ、それならばこの辺りでなんとか折り合いをつけようか、という計算を済ましている気がします。
 
 平凡で平和な大人たちが「やりたいことは何ですか? それに向かって努力しなさい」と若者に諭す。 子供たちはその通り努力し、その結果が「結婚は無理。同棲は可能。子供は無理」。
 ただし、これでもそれなりの才能なり力のある生徒で、そのレベルに達していないのは、さらに下に沈まざるを得ません。
 
 この国、まもなく滅びまっせ。

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