« 抹殺が当然とする抗議にどう対処すべきか | トップページ | 明確化する貧困(2) »

明確化する貧困化(1)

 先週から楽しみにしていた、というにはあまりにキツイ内容のクローズアップ現代の「広がる"若年女性"の貧困」を見ました。
 
 というのはここしばらく、JRの駅で、朝から夕方まで女性が両手いっぱいの荷物を持ってずっとうずくまっているのを目にしていて、なんとなくそういう気配を感じていたからです。 通常この手は髪の毛も白髪いっぱいなのに、この女性、顔は見たことないものの、もしかしたら30代位じゃないかと想像しています。
 
 かなり前から、「正社員になって過労死しますか、派遣になってホームレスになりますか」という極端な雇用環境を揶揄する言葉がありました。
 番組によると現在、高卒の女子が正規の仕事につける率は半分を切っているということで、全世代でも男性が2割程度である非正規雇用の割合が、女性全体では6割弱に上るという現実。
 昭和の時代なら、結婚すれば這い上がれるんじゃない?というプランも浮かびますが、番組が告げるのは、非正規雇用の女性が出あう男性は、これまたまた非正規雇用のケースが多いという悲劇。
 全く同世代の学生を専門学校で教え、そして仕事を見つけさせて送り出すという、まさしくその境界線で働く身としては切なくて、しかし思い当たる節がありすぎて息が詰まりそうになりました。

 子供を持つことはもちろん、結婚すら諦めている女性も出ていましたが、こちらはむしろ消極的に幸せなほうで、ハイティーンで出産したシングルマザーは泣き言を言っている場合ではありません。
 思わず唸ってしまたのが、寮・託児所完備の風俗業。 市役所で生活保護の申請をしてものらりくらりとごまかされた結果、本来行政が行うべきセーフティーネットを風俗業が用意し、それで生きてゆくことが可能となっている女性たち。 失礼ながら、こういう女性達って、稼いだ金を遊びやブランド品に費やすんじゃないの、と思いがちですが、なんと子供の将来のために貯金しているという人もいて、思わず目頭が熱くなりました。

 よく言われる貧困の再生産も顕著で、19歳の女性は早朝深夜にコンビニのバイトを週15時間やって、月収約5万円! でもこの女性、その中から月一万円を家に入れていること。 冗談抜きで泣けてきます。 春からは保育士を目指して専門学校に通うそうですが、学費の大半は奨学金。 もし卒業後に就職できなければ奨学金返済難民になってしまう可能性があります。
 全てとは言えないものの、特徴的なのは、彼女らの親も病弱だったり、崩壊していたりと既に貧民であることです。

 以上、私はこの話を、上から見下すとか、高みの見物をしているわけではありません。 別途触れたかったのが冷凍食品に農薬を入れた犯人。 こちらは男性ですが、報道を聞くにつれ、健康的被害に遭われた方には申し訳ないけど、同情すら禁じえない感情を持ってしまいました。
 自分の人生は首輪をずっと拒否し続けてきた人生、と表現すると格好良いですが、所詮は統計的には失業予備軍の身。 これらの困窮陥落は他人事ではありません。

 一方で、番組後のローカルニュースを見ていたら、今度は70代の老人が詐欺に引っかかって数千万円、そして数百万円だまし取られたという報道が続きました。
 年収114万円を切る状態を国は「貧困」と呼ぶそうです。 月9.5万円以上稼げない人が顕在化する中で、老境に入ってもうまい話に乗ろうとする欲の皮が突っ張った老人が共存する。 そして風俗業に身を寄せて生きる女性の払う税金と年金がこういう老人たちの保護に回る。
 
 あ、冷凍食品犯人について語るスペースが無くなっちゃった。 つづく...

|

« 抹殺が当然とする抗議にどう対処すべきか | トップページ | 明確化する貧困(2) »

社会問題」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 抹殺が当然とする抗議にどう対処すべきか | トップページ | 明確化する貧困(2) »