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今こそ中国には強気で行け

 と、書くと得意の肥溜めウジ虫論ですか、と思われるでしょうが、冷静なお話。
 ついつい書くタイミングを失ってしまったこの話題、気がつくと日本が尖閣諸島を国有化することが決定し、手続きも進んでいるようです。 これについて中国は強気の言葉で対応していますが、この件、というか、対中国外交、少なくとも今の時点での中国には強気で対応するべきです。

 まず何よりも現在中国共産党は秋の指導部交代で外交どころではありません。 この間の責任を取れる人間はいないため、彼らがほのめかしている日本への軍事対応や関税報復などのドラスティックな対応は取れないのです。 ましてや今回の権利交代は、一時期優勢だった重慶等の地方エリートの失脚が明るみに出て、最近では新リーダーとして確実視されていた習近平すら表舞台から姿を消しているというように、混乱が透けて見えています。
 一方で冷静に対応しよう、というメッセージも彼らは発していますが、本音としては「お願いだからこの忙しいときにややこしいことをせんでくれ」という懇願に近いニュアンスも含まれていると思っていいでしょう。 ですから、尖閣について中国は、とりあえずきつめの言葉で恫喝しておいて時間を稼ぐしかない、というのが本音かと私は読んでいます。

 また、今回の領土主張のやりかたを、中国人独特の「癖」のようなものだ、という説も目にしました。
 曰く、彼らは人のものを平気で自分のものだと突然主張する。 それに対して本来の持ち主が文句を言っても「自分のものだ」との一点張り。 結局、本来の持ち主の、穏便に済ませたい、あるいは素早く解決するためには幾ばくかの利益を渡さざるを得ないという対応を見越した原始的な行動です。
 このような理不尽な要求に対して一切の主張を認めず追い返すためには、全く妥協をしないこと。 国家間ではそうはいきませんが、街角の日常的なシチュエーションであれば一発暴力を見舞ってでも追い返すことだ、というこれまた中国人からのアドバイスを引用していました。
 つまりは、東シナ海の海底資源も含め、彼らの精神の底辺にはこういう国民性があるということです。 また、こういう国民性故に、三千年もの歴史がありながら力のある列強にいいように支配されて来た、とも解釈できます。

 次に昨今の台湾や香港の活動家の上陸を中国の動き、と捉えることの誤解です。 これは中国大陸でのクーデターの巧妙な呼び水に他なりません。
 実際のところ、今回尖閣諸島に上陸した香港の活動家は反大陸派なのです。 つまり、彼らはこういう過激な活動を起こすことにより、中国大衆を煽動し、やがては反中国共産党への動き、つまりは中国版ジャスミン革命に繋げようと言う意図があると私は読んでいます。
 その証拠として、数年前の反日運動とは違い、中国政府は妙に今回の反日運動の扱いに戸惑っているように見えます。 前回は経済も政治も盤石な中、余裕を持って貧困層のガス抜きとして反日運動を利用・コントロールしていたのに対し、今回は小さく扱えば政府への弱腰批判が高まり、かといって増幅させれば勢い余って反政府運動にまで一気に運動が高まってしまう、つまりきっかけは小国日本の領土問題だったのに、気がつけば国家転覆のクーデターになっていたという恐れを懸念していると仮定できます。
 きっかけにされようとしている日本は良い迷惑ですけどね。

 秋に生まれる新体制が、理性的で親日路線を取るとは思いにくい状況の中、今のうちに日本は法的な整備、具体的には今回の国有化をはっきりと法的に明文化しておかないと、感情的かつ反日新体制が誕生後、尖閣諸島への強制上陸+建造物建設+監視軍配備に突然踏む込む可能性があります。
 この背景には、そこまで思い切ったことをしても日本は軍事的に海上保安庁はもちろん、自衛隊も発砲を含んだ力による阻止に踏み切れない、と読んでいるからで、残念ながらそれは正しい予測ではあります。
 とはいえもし、そこで日本が力による防衛に出ると、その後大変な規模に争いが広がる可能性があり、それはそれで日本も自重しなければなりません。 つまりは中国は日本のそういう理性的な行動を読んだ上で、先の野蛮な「言ったもん勝ち・盗んだもん勝ち」を尖閣諸島に適用とする可能性が大なのです。

 そうばればその後は時間がかかっても国際世論に訴える、或は国際法廷での争いになる訳で、その点から鑑みても、客観的かつ国際的に通用する理論武装の材料を着々と用意する必要があり、その一つが今回の国有化であると私は支持します。

 まぁ、一発撃退の最適手段は、東シナ海で米軍がより積極的かつ継続的に展開することでしょうけどね。 どのみち日本はアメリカの政治に組み込まれきっている訳で、であるならばオスプレイ稼働と引き換えに中国に一発かましてくれ、という密約があってもいいと思います。
 でないと、中国は尖閣諸島の略奪に成功した次は沖縄を含む南西諸島を取りに来ますよ。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

なんとも、哀しい時代になったものですね。

なんせ、人口の多い国ですので、一部少数の民衆がヤラかしただけで、国全体が「反〇〇」なんて印象をもたれるのも、他の国民には迷惑な話でしょうね。(親日家も多いですから)。
最近のマスコミの報道の在り方自体には、疑問を感じる部分が多いですね。
「中立的な報道」って難しいとは思いますが、どうしても「視聴者ウケ」を狙った「偏り気味報道」に思えます。

「知る権利」が有れば「知らせない配慮」ってのも大事なのかな~と思う今日このごろ。

投稿: 蝦夷男爵 | 2012年9月17日 (月) 15時33分

先生どうしたんですか?、ステマに引っかかるなんて...

中国や韓国で国威高揚のために国境問題を持ち出すのは
ご存知だと思いますが、日本のマスコミも盛んに国境問題を
取り上げるのは、どこかからの意図があると思います


とりあえず尖閣諸島は日本が実効支配してるので、あまり
気にしなくてもいいのでは?

実際、尖閣諸島に関しては密約があったと考えるのが
妥当ですし、そのおかげでWinWinの関係で来てたのでは
ないでしょうか

いまさら中南海を刺激しても意味ないと思いますし、
人口が多くて競争が激しいせいか永田町に比べて能力は
高いと思いますし、日本の国益にはならないと思います

問題は、どうゆう意図で世論を動かしてるのか
その目的あたりが心配になります

(今の時代にも鬼畜米英が通るなんてビックリします)
(以前の親善ムードもマスコミのステマなんでしょうけども)
(ま石原老知事は米国で誰かに焚き付けられたようですが)

ちなみに、国境問題にについて国際世論はあてになりませんし
一番あてにならないのは米国だと思います
またオスプレイは既定路線なので取引材料にはならず、
略奪は軍事上や外交上もありえないのでオチになりません

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20101006/247616/
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20120820/320097/

オチがあるとすれば、空気に流されて開戦し敗戦したような
ミスが発生した時だと思います

投稿: t2 | 2012年9月14日 (金) 01時00分

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