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夏への扉 〜The door into summer〜

 正月って子供の頃に比べるとほとんど意味が無くなってきた、と言いながら、それでも三日が終わるころになってもまだ酒を飲んでいたりすると妙にやましさを感じるあたりは、まだまだ三が日の御威光は消え去ってはいないのかもしれません。
 
 そんな栄光の三が日の最終日を飾ったのが、以前ここで少し触れたSF小説「夏への扉」読破。
 この小説に直接の興味があった訳ではなく、1980年に発売された山下達郎の"RIDE ON TIME"というアルバムに収められていた吉田美奈子作詞/山下達郎作曲の同名曲が発端です。 アナログシンセで始まるイントロが印象的な大好きな曲なのですが、歌詞カードに※from the novel "The door into summer" by Robert Heinlein と添えられていたのがずっと気になっていました。 
Door_into_summer
 とは言っても当時は'80年代。 よほどマメに古本屋を巡るとかしないと原作本に出会うのは難しく、そのまま三十年近く放置していました。
 時は巡ってネット時代。 二ヶ月程前、ふとこの題名を思い出し、何気なくamazonで検索してみたら、文庫本が何とたったの23円(運賃込みでも300円切り)で出品されていたので、迷うこと無く購入。
 
 やがて配達されてきた現物を見て驚きました。 それはなんと早川書房。 SFシリーズじゃありませんか。 私は達郎の音楽のイメージから、この小説はリッキー、ティッキー、タビー、そしてピートと主人公という登場人物による、例えばスタンドバイミーみたいな青春小説かな、と思っていた訳です。 いや〜、無知って恥ずかしい。
 配達直後に数ページ、先日の娘の美容室の付き合いで数ページ読んだだけだったのを、昨日数時間で一気読み。 1956年発表とは思えない確かな科学的推察は50年経過した古さを感じません。 まぁ、タイムトラベルに関しての突っ込みはいくつか可能ですし、今更になって調べてみたwikiでの記述でも、「猫小説」として、あるいは「素人による名作SF選び」においてはトップクラスだが、専門家による評価はそれほどでもない、という記述があります。
 
 思えば私のタイムスリップ著作初体験は手塚治虫のW3でした。 その最終回あたりで、本来の宇宙人であるボッコ、プッコ、ノッコと、母星から追放されて村民と化した彼らとが一定期間共存(しかも面識すらあった)していたというオチがあり、子供ながらに「ほっへ〜〜〜」っと口を馬鹿みたいに開けて感心したことを今でも覚えています。
 そしてこの「夏の扉」でも似たような設定があり、もしかして手塚氏はこの作品を見ていたのかな、という好奇心も湧いてきました。
 
 で、もともとの達郎の楽曲の話に戻しますと、曲中で何度も繰り返される印象的な「リッキー、ティッキー、タビー」は先の私の想像とは違い、主人公から見た愛すべき姪のリッキーのことで、彼女に充てた手紙への書き出しがいつもこうであった、といういかにも英文学(英文化)的な言葉でした。 ちなみにこれにすら意味がちりばめてあって、ほんとネットによる知識深化への感謝に堪えません。

 んで、思うにやはりこの頃の吉田美奈子の才能の凄さですね。 この曲の元ネタである難波弘之の依頼があって読んだのか、あるいはそれ以前からこの小説を知っていたのか知る由もありませんが、あの文章からこれだけの簡単な、しかし印象的な詩を起こせたのは、まさしく当時の我々が痺れた吉田美奈子ならではの素晴らしさだと、今改めて感じます。
 
 いつの間にか粘っこいこねくり回した歌と歌い方しかしなくなった現在の達郎に興味はなく、無邪気にこのコンビの復活を願ってるんだ、と長年の達郎ファンである友人に言ったら、達郎が竹内まりあと結ばれた時点でそれはあり得ないことになってしまったんだ、と説かれ、納得すると同時に、恐らく死ぬまで達郎が私の大好きだった達郎に戻ることは無いのだと宣言されたようで、がっかりしました。
 
 いや、「あきらめてしまうにはまだ早すぎる♪」なのかな。
 そうあってほしい。
 「その日まで、おやすみ♪」
 いや、単に酔いつぶれるだけなんだけど...

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