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福井県原発燃料税の疑問

 あまり全国レベルでは報道されていないようですが、福井県が原発の運用に対する税制を改正するそうです。
 簡単に言うと、現状では原発で新たな燃料棒を使用する度に一定の納税義務が生じるようになっているのを、燃料棒の交換に関係無く、つまり炉が停止状態でも税収を確保するという案です。
 う〜ん、なんでしょ、このニュース。 正直言って納得できない。
 
 昨今の原発停止→再稼働拒否の流れの中、でもこれまでと同額の(厳密には約12%の税率を15%に引き上げ)銭は取るという風に取れるからです。
 
 別の話として大阪府知事に福井県知事がよこした公開質問状には、原発の存在は既に地元経済と雇用にかけがえのない関係を構築している、というような主張がありましたから、恐らく今後も福井県に限らず、原発立地自治体は日本国が滅びるまで補助金と税金を収入原資にしてゆくつもりでしょう。
 いえ別段これを非難するつもりはありません。 二年前に書いたように、140年前から始まった地方の衰退を防ぐための方策として原発誘致は非常に重要な選択肢です。
 
 ネット上では「嫌なら原発が出て行けばよい、という立地自治体の脅しだろう」という意見があるなか、恐らくそうなったとしても、今回福島で原発が完全停止しても使用済み燃料の冷却を含めた保存の問題が浮かび上がってきた以上、そして仮にそれらを完全に他の場所に移したとしても、そして建屋を完全解体しても、(仮にそれが許容範囲内であっても)残る微量の放射能を根拠に半ば慰謝料的に永久に自治体は電力会社と国に金を要求しつづけると思います。
 
 たまたま私は大阪府民ですから、先日来から福井県の声として「文句があるなら大阪湾沿いに原発を作れ」と言われると非常にリアリティがあります。 大阪湾原発ができてそれが事故り、今回の福島の風向きと同じと仮定すると、私の住んでいる土地は間違いなく避難指定地域となってしまいます。
 そのリスクを常に背負って生きているんだから、原発所在地へのせめてもの感謝の気持ちとして電気料金であれ税金であれ、何らかの形で表して当然だろう、という福井県の主張は素直に理解できます。
 
 しかし日本人はお互い様の範囲内であれば非常に道徳的に譲り合ってゆけるものも、西洋的な理路整然とした契約論的関係になった途端に感情的になることが往々にしてあります。
 つまり、んじゃ、日々迷惑をかけていることに対し金銭的な負担はいたしましょう。 である以上は四の五の言わずに原発を再稼働させてよ、という世論もまた避けられないと思うわけです。
 幸いにして、まだ今のところは全国の原発所在地に対して反論がしにくい雰囲気が残っておりますが、今回の福井県の主張、そしておそらくそれに追随するであろう他道県の動き方によっては、「なんだ福島の犠牲を体よく利用した地域エゴか」という声も露わになってくる可能性があります。

 そうなるべきだ、というのではなく、少なくともそういう議論がニュートラルに行える環境は守られなくてはならないというのが本旨です。 税金であれ電力料金であれ、原資は我々国民一人一人のお金なのですから。

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コメント

 福井県の方からコメントを頂きまして、ありがとうございます。

 震災以前にバーでお会いした福井県出身のお客さんからも嶺北と嶺南の違いをお聞きしたことがあります。
私のような大阪府民は、子供の頃のNHKの天気予報で「福井嶺南」のみが関西に含まれていて、あれ?残りはどこに?と素朴な疑問を持ったことがあります。(その後「福井嶺南」も消え、かなり経って今は福井県全体が含まれるようになっています)

 今後の展開、そろそろ各登場人物の魑魅魍魎ぶりが浮かび上がってきた気がします。
 電力会社と正面切ってケンカしているのは知事や市長ですが、こちらは投票で選ばれる人たちで、一方の電力会社が会社員、個人と会社の思惑が無いわけが無く、お互いが間に民を置いてちゃんと正面から正直に対峙できるのだろうか、と疑問に感じます。
 
 一市民としては非常に非力ながら、今もこれからも何が起こっているのかだけはしっかりと見極めたいと思っています。

投稿: あやおば | 2011年6月21日 (火) 02時19分

初めまして。
福井県北部、福井市在住のものです。
この度の税率の引き上げ、将来に備えてのことだという風に思っていました。原発を盾にとってのたかりだとしたら、愚かとしかいいようがありません。

私自身原発に関しては反対の立場です。
福井県は北部を嶺北、南部を嶺南と呼び、大きく二つに分かれています。原発が立地するのは嶺南地方、嶺北部には反対の立場をとる人たちも多く存在しますが、何しろ選挙権がありませんので、原発増設とかの話が出ても、市民団体の反対署名に協力することしかできません。
今回福島原発事故、その直後に地方選挙がありましたが、
敦賀市長選などでは反原発の声が上がってこない状況で、もどかしくてたまりません。
原発によって入ってくるお金が福井県や立地市町村の財政を潤しているのは事実だと思いますが、原発の横を通る新幹線、車じゃないと行けない図書館やサンドーム福井なんて、正直いらないと思ってます。
それよりも安全に暮らせる保証の方が大事です。

私の所有電力株では、毎年株主提案として、原発の廃止や増設の中止を求める議案が提示されます。毎年それに賛成票を投じていますが、一度として採決されたことはありません。大株主である企業や地方自治体が賛成票を投じない限り、電力会社が原発から手を引くことはないのでしょうね。
もしも本当に原発をやめてほしいと思っているのならば、大株主である企業に圧力をかける、原発推進派の議員をリコールする、原発立地市町村へは遊びに行かないし、特産品も買わない。そういうことを内と外からやっていかないと変わらないと思っています。
福井の原発が事故を起こしたら、関西や中京も無傷ではないと認識しています。
橋下知事や平松市長は脱原発の立場をとっておられますが、是非福井の西川知事と話し合いをしてほしいと思います。関西在住の皆さんも、原発がある限り若狭の海には行かないとか、福井の魚は買わないとか、アクションを起こして頂けたらと思います。
そして、もしも福井の原発が廃炉の方向に行ったならば、是非美しい若狭の海とおいしい魚を堪能して下さい。
若狭の海は本当にきれいです。

今現在西川知事は原発の再稼働に対して認めないという立場をとっておられますが、政府の圧力によって翻らないかとても不安です。

投稿: | 2011年6月20日 (月) 16時41分

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