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学習障害の大学生の指導

 なんかかっこえ〜題名...

 最近週末でがっつり疲れます。 バーの営業がその原因の一つであることは間違いないんだけど、それ以外にぐったり疲れさせてくれるのが原則として毎週土日に入っている学習障害の美術大学生にIllustratorを教えているお仕事。

 学習障害と明言するのは危険なのかも知れませんが、呼称はともかくとして恐らくその手のケースに間違いないはずです。 しかして大学生でありますから、一応入試はあるわけだし、事実漢字能力などは下手すると私より上な訳で、いわゆる知的障害とも違うのも明らかです。

 一方で明らかに挙動に不思議なところがあり、毎回授業に関係のない大型ポートフォリオケースや画材などを持って来る。 恐らく大学に行くときにも同じ荷物を持って行っているはずで、家を出るときに取捨選択ができないと思われます。
 小さいところではペットボトルのキャップを閉じるときに45度程度で小刻みにせわしなく閉じる。 多分これは何かの機会でそう閉めなくてはならないと思い込んだことが原因と思われます。

 観察という上から目線ではなく、こちらとしてもマンツーマンでお金を頂いている以上、なんとか効率的な指導方法を見つけたくていろいろな視点から考えたり、時には実験を重ねているわけですが、まず分かったことは彼の頭の中には同時に様々な時間が並列で動いているということ。
 極端に言うと、今Illustratorの一つのツールの勉強をしているのに、他のツールのことが気になる、家の鍵を閉めたか、インターネットで気になる動画サイトの再生速度が遅いのを何とかしたい等々、我々が通常重要性を自然に決定して今やらなければならないことを優先することが彼にとっては非常に苦手であることが分かりました。
 簡単に言うと、常に気が散ってものごとに集中できない面があります。 もしかすると小学校ではいわゆる立ち歩きに苛まれていたかも知れません。

 で、本人と周囲もそれを克服しようとしたのでしょう、いろいろとメモを取って、私の指導の間もそのメモをバイブルのように参照するのですが、これが少し興味深い。
 「塗りの色の設定」と書かれた項目を、「塗りの色の設定を変更しましょう」というとちゃんと見つけられるのに、「塗りを変更しましょう」と言うと正解を見つけられません。 応用が利かないのです。 
 これに気がついたあとは極力メモと同じ表現で指導するように努めました。
 が、これでは彼は永久に漢字であったり、算数であったりの正解が一つしかない世界でしか生きられません。 
 ということで指導方法を変更し、彼が今までぶち当たってきた壁、つまり応用が求められる場面での逡巡をなんとかして乗り越えられるように「よせばいいのに」方針修正。

 例えば選択ツールでオブジェクトを未選択の状態で設定の変更をしている(故に何も変化が起きない)のがなぜか?という疑問に対してすぐに助けを出すのではなく、「問題発生→原因追及の思考と対策(Un do(やりなおし)の多用を用いた試行錯誤)→問題解決」という方法を一時間かけて指導。
 と書くと格好良いですが、障害児教育については経験則のみで専門知識がない人間がこういう行為に及ぶのは危険なことなのかも知れません。

 何よりもある種絶望的なのは、彼にクリエイションに関する熱意が全くないことです。
 訊くと、せめて大学くらいは出ておけ、と親に言われてとにかく入れる大学を選んだそうで、Illustratorはもちろん、美術などには全く興味も意欲もないということ。
 しかしてネットでは毎晩危ない動画を見ているようで、その再生が止まってしまう自宅のネット環境はご不満のご様子。 そして風呂に入る機会が少ないのか、この手の人種独特の体臭が漂うのも余計に疲れます。
 様々なことが一度に頭に浮かぶ故に、話すことも時々数光年ワープしますので、何を言おうとしているかを正しく汲み取るために神経を使います。

 どこかの専門学校には毎年こういうのがいたりしますが、いや、このレベルはさすがに珍しく、大学も学生確保に大層な負担を強いられているのだなぁ、と思わず変なところで同慶の至りを感じたりするここしばらくの週末です。

 だから月曜日は泥のように眠るのさ...

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