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豪腕を頼む幻想

 海外との比較で、日本人は正義や潔癖に対する意識が高く、なんて表現を目にしますが、こと政治に対してはそんなことないよな、と思うのが今回の民主党代表選挙で小沢支持の声。
 これは今に始まったことではなく、長い自民党政治の間も数あるスキャンダルが暴露されながらも政権交代に至るまでに長い年月が必要だったことでも明らかです。

 その政権交代が実現して一年、私も含めてある程度の人は「政治って誰がやっても大して変わらない」と感じだしている頃かと思います。 つまりは私がずっと忌み嫌っていた自民党政治もそれほど酷くなかったということかもしれません。
 ただし長年の与党生活でしみついた澱を掃除するにはやはり政権交代はあって然るべきだったと思います。

 にもかかわらず、今回の小沢の出馬に対して「豪腕」という形容詞で肯定的に捉える声があること、そして少し前になってしまいましたが、どうみてもチンピラが威勢の良いことを言ってる程度にしか聞こえなかったみんなの党の躍進とあわせて、あぁ、まだ国民の少なからずの人が突然ヒーローが現れて日本の政治を魔法のように変えてくれる、と信じているのだと感じました。

 無理でしょ。

 というか、私もそう信じていましたが、この一年間で、いくら節約しても予算は減ることはなく、いくら交渉しても沖縄を軸としたアメリカは全く譲歩を引き出せず、北朝鮮と中国に対しても外交で何一つ革命的なことは起きませんでした。

 小沢は管の政治主導が揺らいでいると指摘しています。 が、官僚を頼らずにどうやって国を回すというのでしょうか。 仮に国会議員が官僚と同レベルの頭脳を持っていたとしても、役人が担当している仕事のジャンルごとに深く精通することは不可能であり、何より国会議員は選挙に通らなければその存在を失うわけで、勉強ばかりに明け暮れるわけにも行かず、さらに仮に議員であり続けたとしても閣僚人事で簡単に部署替えになることを考えると、官僚と対等にコラボを組んでの主導が最大限の位置づけのはずです。

 また、小沢は国の予算を縛り無しに地方に配分し、それを土建中心の公共事業に振り分けて景気回復を図ると言っています。 しかし今更道路や箱もので景気回復が可能なんでしょうか。 公共投資で景気が回復するという公式は今の時代、成り立たなくなっていると私は感じています。 というか、もう『景気さえ回復すれば』という祈りに似た希望は捨てませんか。
 時代の変化に対応できるかどうか以前に、時代の変化の節目がどこにあるかという嗅覚だけは忘れたくありません。

 小沢陣営の地方事務所が民主党代表選挙の票をまとめて代筆して中央に送るという動きがばれました。 もうこんな話など、先の公共投資と同じく、ホント田中角栄の亡霊による悪夢としか思えません。
 普天間の件でもいかにも切り札があるかのように思わせていながら、結局は何も無し。

 管が頼りないのではなく、今の日本が著しく頼りない足場に立たされているだけです。
 小沢が総理大臣になれば何かが変わると期待するのはヒトラー崇拝に近い集団思想自殺に等しいと私は危惧します。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

経済学は自然科学ではないですよね。社会は複雑でわからないことが沢山あると思います。
身近な税金についてでも、それぞれの特徴について説が幾つかあるようで難しいです。社会保障でもそうです。
前のコメントの「借金が上乗せされているのか」もわからないのです。素朴な疑問ということで・・。

政策は、今までと同じことをしていては同じ結果を重ねることになりかねないし、単に違うことをすることが目的になると大変なことになりそうです。
何もかもがうまく行く政策っておそらく無いんでしょうけど、理屈を聞いて「なるほど」と思える施策をお願いしたいです。
国債の利息は一週間でどれくらいになるのだろうかと思います、財政再建にも早く手をつけて頂きたいです。一週間でどれだけ返済できるのかはわかりませんが、後の世代が払う借金が増えているのでしょうから。

投稿: Am | 2010年9月17日 (金) 00時48分

 いや〜、クリエイションで食っていながら実は経済系の大学を出ていますが、うかつにいい加減なコメントをするとこてんぱんに叩かれるのがこの世界ですから、正直怖いです。

 理系的に経済を語れる人の論理は見事ですが、厳然とした特性と限界のある物理や化学と違って実経済は数値が仮説の上に成り立つ部分が多くて、案外根本からころりと破綻することが多いのです。(と言い切るとまた怖いけど)

 商売のように国が赤字分を考慮した経営をやってればまだましというか、ここまで酷くならなかったと思いますよ。
 まぁ、かつては日本や世界でそんな絶望的な財政赤字も、景気回復でみるみるうちに健全化できた例がないわけではありませんから、これが「景気さえ回復すれば」と皆が呪文のように唱える根拠らしいです。

 もはや太鼓の歴史のように奇跡を実現すべく皆で狂ったように踊り続けている状態なのかも知れません。
 成り上がりの体臭に鼻をつまみながらも、そういった生け贄を捧げながら、中国の超巨大消費を拝む、一種の雨乞いが世界中で起こってますしね。

投稿: あやおば | 2010年9月14日 (火) 02時15分

政治のことはイマイチわかってないんですが、財政赤字すごいですね。
以前から思ってたんですが、借金のあるお店が商売すると、何らかの形で借金分を上乗せした売価でないとやって行けない気がします。

そうすると日本の物価には、気づかないけどまわりまわって借金分が加算されてないか?という素朴な疑問を感じるんです。
返すつもりがないから物価に含まれてない、なんてことになったりするのかも知れませんが(そのうち大変なことになるのかも)。

専門家から見ると的外れな疑問かも知れませんが、もし含まれてるのなら、借金がなければ$1=¥80でもへっちゃらだったりするんでしょうか?

経済のこともよくわかってないや・・(;ω;)

投稿: Am | 2010年9月14日 (火) 01時13分

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