« 喉から黒いかさぶたがでるか?(1) | トップページ | 喉から黒いかさぶたがでるか?(2) »

ギョウセイの力

 八ツ場ダムの件、政権交代の象徴として報道されました。
 前川大臣が住民にボイコットされた姿が繰り返し流れていましたが、私が不思議に感じたのは建設反対派の姿が殆ど扱われなかったことでした。
 ほんの少しだけ、反対派が「どうして会場には入れないんだ」と気色ばんでいた場面があり、あぁ、ここも三里塚的に政治闘争化しているんだと、思っていたら「賛成派には悪いけど私はこのふるさとの風景が守られて安堵している」という住民の姿もあり、やっと納得した次第です。

 ただ、それらは大臣のメンツまつるぶれ、という報道と比較すると圧倒的少数で、あれほど政権交代で踊ったマスコミが、なぜこういう報道をするのか疑問だったのです。

 先日読んだ週刊誌によると、国土交通省の官僚はあの意見交換会に際し、建設反対派には告知も招待もしなかったそうで、本来ならこれにマスコミが食いつきそうなはずなのに、逆に官僚の言うなり、つまり大臣潰しの意図のままに操縦された、とありました。
 まぁ、週刊誌も週刊誌ですから、全て鵜呑みにしてませんが、これで建設反対派の姿が殆ど報じられなかったことには納得は行きます。

 怖いですね、官僚。 さすがに頭脳明晰なだけのことはあります。
 アホですね、マスコミ。 この人達も高学歴のはずなのに。

 さて、八ツ場ダム、長年振り回されてきた地元の方々には申し訳ないけれど、建設中止は避けられません。
 行政の力の凄いところは、例えそれが牛歩の歩みであっても、法的に裏打ちされた決定は粛々と実行するところです。 その姿は氷河のようでもあります。
 あれほど揉めた三里塚闘争も、結局成田空港は開港され、B滑走路もいびつな形ながら新設されました。 最後まで残った反対派の土地も50年、100年単位で解決を待っているはずです。 その信じられないスパンの長い継続力が行政の恐ろしいところです。(そこが時には愚直なまでに頼もしくもあるんだけど)

 さらに、白紙撤回要求ほど行政の与しやすい交渉はありません。
 法の決定により動いているわけですから、それを白紙化=撤回することはありませんし、できません。 あるのは条件闘争だけです。 逆に言えば今回の場合、建設中止自体は動かせず、補償も含めた条件をどこまで譲歩させるかしか住民側は選択肢がありません。
 そんなことは長年交渉を続けてきた住民側も分かっているはずですが、それでもメンツとして条件交渉などできるはずもないのと、玉砕精神も加わって白紙撤回要求になってしまうのでしょう。

 が、それこそ行政の思うつぼ。
 前原大臣が替わっても、行政の担当者が変わっても、今後政治レベルで建設再開の方針が出ない限りは確実に押し切られます。

 にしても、今後、マスコミの報道には必ず官僚による操縦がないかどうかを確かめなくちゃならないんですねぇ... 疲れます。

|

« 喉から黒いかさぶたがでるか?(1) | トップページ | 喉から黒いかさぶたがでるか?(2) »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

あそこの場合、建設反対派って外の人間か外から来た人間が主体らしいですよ。 その手の人間って俗に言う「プロ市民」ですから、国交省の担当者にしてみれば呼びたくはないし、幸い?大臣は建設中止を言いに来るから、敢えて反対派を入れる必要もないと言うことではないかと。
あそこまで田舎に入ると、大勢が建設賛成に回ったら反対は出来ないですよ。
ムラ社会で異を唱えたらどうなるか、朝の番組で別のダムの話で立ち退き反対したらさんざんな嫌がらせを受けたという人をリポートしてましたが、村八分って言葉は今も続いているんだなと。

投稿: フックランナー | 2009年10月 2日 (金) 15時44分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 喉から黒いかさぶたがでるか?(1) | トップページ | 喉から黒いかさぶたがでるか?(2) »