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臨界前軍事クーデター

 田母神前航空幕僚長の論文問題に興味を持っています。
 もともと論文募集をしたアパグループって、かつての女社長がホテルの宣伝に自分の顔写真を使い倒して日本中を震撼させたところですよね。こういう親右翼的な会社であったことが今回初めてわかりました。
 まぁ、かつての大正製薬のようにいつの時代にもそういう企業があるのは特に不思議ではないとして、前航空幕僚長が自衛武官に檄を飛ばして80弱の応募があり、その頂点に前航空幕僚長の論文が選ばれる辺りできな臭さが充分嗅ぎ取れます。
 
 また、問題になった途端に定年退職しつつ、本人は更迭するなら徹底的に議論すると腹をくくっていますし、退職金の返還もするつもりは無い由、いや、これはなかなか切れ者というか、よくある教育勅語が忘れられないボケ自民党議員のようなレベルではないと見ました。
 というか、今年60歳ですから、バリバリの戦後世代です。
 
 多くは部内論文の使い回しだったとは言え、檄に応えて多数の自衛武官からの応募があったということは、それなりに人望があるとも言えます。 この応募のうち、陸海空の割合がどうだったかも気になりますが、政治が全く手を出せないまま花道を飾る辺りは、これは平和下の一種の軍事クーデターだと私は感じました。
 
 今はこれで収まったとしても、この一件が特に防衛大学卒の幹部及び候補生に心深く刻まれ、今後経済停滞と与野党の泥沼政治が拡大すると、いつぞやのような軍部による蜂起が起こらないとは言えません。
 何より今回は震源地が下っ端の青年ではなく、昔で言えば大将クラスですから、特に思想教育甚だしいエリート自衛官にとっては時限爆弾として意識に埋め込められる可能性大です。
 
 一旦社会に出てから自衛隊に入り、大学の学費を稼いで除隊したという人物に聞くと、やはり防衛大卒の上官はどこか思想的に変わっているそうで、現場の人間はみんな「奴ら、ちょっとネジがおかしい」という形容をしていたそうです。
 まぁ、こういう見方を一般人の我々が持っていること自体が彼らの被害妄想意識を拡大し、また昨今の自衛隊内でのレベルの低い不祥事等もあり、戦後ずっと彼らが持っている閉塞感がそろそろ限界を迎えても不思議ではありません。
 いわゆる「新しい世界を作る」です。
 
 テレビドラマでは巨悪として政治家と警察が、映画やアニメでは自衛隊と米軍が扱われます。 そういうステレオタイプ的視覚習慣がこういう私のような思い込みに繋がるのかもしれません。
 が、逆に言うと、火の無いところに煙は立たず。
 全てではないものの、多くの自衛隊エリートが戦後の政治解釈を不満とし、文民統制を不服としていることが改めてはっきりと分かった事件でもありました。
 
 さぁ、彼らの頂点に立つ与党はどうこれを収めるんでしょうかね。それどころじゃないでしょうか。
 そんなことだから臨界前クーデターを起こされるんですけどね。

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