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いや、しょうがないでしょ

 久間防衛大臣の発言が大きく取り上げられていますが...
 
 私は私の言葉の解釈の中でやっぱりしょうがなかったと思います。
 あの頃の日本の選択は既に本土決戦であり、左様に頭の悪い日本軍幹部でもこれはまずい、というインパクトがあったから無条件降伏という結果に転じたのは、間違いないと思います。
 
 あの時点まで既に米軍は日本に相当な数の通常爆弾を投下し、東京は言うに及ばず全国の大都市から時には地方都市までを焼き尽くしたのに全く降伏する様子はありませんでした。
 もしあのまま沖縄から種子島、鹿児島と米軍が進軍を続けていたら女子供等の非戦闘員を盾にした文字通りの地獄がどんどん広がっていたことは沖縄戦の末路を見れば容易に想像がつきます。
 
 仮にそうやって東京まで米軍が兵を進めたとしても、それまでにはさらに数ヶ月から一年程度の時間がかかっただろうし、恐らくは連合軍の名の下でソ連が北から東京目指して南下していただろうと言うのは大臣の言う通りだと私は思います。
 
 そうなれば二つの原爆で出した犠牲者の数をも上回り、そしてその後の日本は朝鮮半島やドイツのように分割統治されたであろうことは当時のソ連の伝統的な拡張主義から考えても不思議はありません。
 
 大臣は被爆地長崎の出身なのになぜ、という非難もありますが、幼い頃から被爆の惨さ、不条理さをいやというほど叩き込まれており、それを今の歳まで自分の中で反芻するうちに「早期終結のためにはしょうがなかった」という被爆地出身だからこその諦観ではないかという見方が無いのは不思議です。
 
 しょうがない、仕様が無い、という言葉の語源はしりませんが、決して積極的に肯定する意味はないのではないでしょうか。 つまり、肯定や納得はできないが、なす術も無く受け入れざるを得なかった、という意味合いだと私は解釈します。 
 あのような非道な仕打ちでもってでしか戦争の終結を決断できなかった体制が崩壊した後、「それもしょうがなかったのか...」とポツリと人が思うことは決して攻められるものではないと私は思います。
 
 その前提で考えると、参議院選挙へのさらなる弾みと野党が一斉に糾弾し、それのみならず与党公明党の一部の議員や、被爆者団体も厳しく非難しているのを見ると、違和感を感じざるを得ません。
 むしろ党利のためにあっさりと持論を撤回し、挙げ句の果てに「実はあんまり(言った)記憶が無い」とつぶやく辺りでむしろ「こんな大臣に国防なんて語る資格は無い」と私はそこに怒りと情けなさを感じました。
 
 それはさておき、あの原爆と言う当時の人類からは想像もつかない殺傷能力を持った武器が使われなかったら、より良い平和をより早く迎えることができたのか、そこに対する問いかけがマスコミも含めてあえて押さえられているような気もします。
 
 原爆による犠牲者の上に終戦があり、その後の平和が築かれたことは言う間でもありません。 そしてその礎には沖縄地上戦、そして日本全国の空襲による犠牲者、敵国も含めた兵士の命も含まれています。
 少なくともカネと権力に溺れた政治屋の一時的な論争の材料にされるべき簡単な問題ではない筈です、
 
 そして今最も大事なことは人の言葉尻をヒステリックに捉えるのではなく、再びあのような絶望的な体制にならないように考えることではないかと思うのですが。

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コメント

 あれれ... 昨夜つけたコメントがついていませんでした。 「確認」しただけで「送信」しなかったのかも。
 まぁ、私が核兵器について今一番気になるのは北の将軍家ですね。
 太平洋戦争時の日本のことについて知る由もありませんが、今の北朝鮮の状態が近いのではないかと。
 大本営発表で国民を圧迫・欺き、外向けにはなんだかんだとゆすりのネタを作ってはどう転んでも自分達の有利になるように交渉する。
 そりゃ「もうどんな理性的な方法も無い。とにかく一旦潰してしまわなくては」と思わせるだけのゴキブリのようなしぶとさに共通点があるような気がします。
 
 北朝鮮が当時の日本と違うのは他国へ派兵していないことで、偶然か必然か、その辺りは非常にうまく立ち回っているとも言えます。
 だけど核、そして恐らくは核兵器を持ってしまったかもしれない今、それをまた使わずにいられるほど内部も安定しないと聞きます。
 
 アメリカには届かないだろうから、韓国や日本に核弾頭ミサイルを撃ち込んだ時、さて米ロ中はどうするのか。 そして放射能はどう流れるのか。
 そして将軍家は「他保有国は北朝鮮の善悪よりも核仕様の是非に足を取られて絶対に核報復はできない」と読んでいるとしたらさて、どうなるんだろう... という危惧です。
 
 まぁ、どのみち日本は何もできないし、それはそれで悪いことじゃないですが、それを逆手に取る、哲学もルールも知らない奴は一番質が悪いです。

投稿: あやおば | 2007年7月 7日 (土) 01時08分

怪おばの言うことも分かりますし世界一の核兵器保有国である米国と同盟関係にある日本が核廃絶を言うのはかなり矛盾を感じますが、大勢の前でああいう立場の人が核兵器使用を堂々と肯定しちゃうというのはまずかったですね。
米国は朝鮮戦争でもベトナム戦争でも核を使いませんでしたし、ソ連もチェルノブイリ事故以降に核弾頭をかなり廃棄したようなので(放射能汚染の恐ろしさを実感したようですね)、おそらく米国とロシアが核兵器を先に使うことはないでしょうけど、今後増えるであろう核保有国に核使用の正当性を言わせないためにも日本としては何がなんでも核使用はダメって立場でいくのが正解かな。

投稿: DS | 2007年7月 3日 (火) 20時29分

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