« 懲戒免職? | トップページ | 蛆(ウジ)車 »

メンツの国

 中国の温家宝首相が来日しましたね。
 
 一言で言って、これだけ変わるものかと驚きました。
 何かにつけて攻撃的な言動を繰り返していた国(相手にすればお互い様、というところでしょうが)があの変わり様ですから、安倍首相が残した数少ない功績であることは間違いないと思います。
 
 ジョギングとか、国会演説、またそれを中国国内に生中継する等、パフォーマンスと言えばそれまでながら、ケンカを続けるよりは仲が良い方が良いわけで、逆に言うとそれだけ小泉のやったことの傷が深かったとも言えるかも知れません。
 ひねくれたことを言うなら、先の選挙で自民劣勢傾向と安倍の支持率低下の中で、絶好の人気回復タイミングだったのかも知れません。
 
 小泉時代、譲歩すれば中国は益々つけあがる、という世論がありました。 実際私もそういう風に感じていたところはありますから、イメージとは恐ろしいものです。
 しかし、まずは安倍が訪中して友好メッセージを伝えたことを受けて、今回の中国の行動ですから、要するにお互い良くも悪くも面子に非常にこだわる文化を持つ国であることが証明されたかとも感じました。
 
 これが対欧米であればお互い美辞麗句を並べ上げ、まるで竹馬の友であったかの様な親しげな風景を演じながら、実際にはビジネスベースで意外な程簡単に裏切られたりするのとは対照的とは言わないまでもちょっと違う感じです。
 要するに数千年経ってお互い随分違う姿になったけれども共に儒教の影響を受けた共通のベースがあるのだとも言えますね。
 何せ夜中の教育テレビで淡々と漢詩が朗読される国なんですから。日本は。
 
 生中継を見ていた中国人の反応もまるで手のひらを返したように友好的、建設的で(これはマスコミの編集次第ですけど)、斜めに見れば中国政府が今回画策した中国国内の反日感情の火消しもまんまと成功したとも言えますが、やはり彼らも小泉時代とは違うフェーズになったんだ、という実感があるのでしょう。
 もちろん、中国国内では安倍政権による方向転換を優越感として捉える雰囲気があるのでしょうが、それをことさら中国に対する劣等感として日本人が捉える必要も無いと思います。
 
 まぁ、拡大かつ若干暴走気味の軍事を始めとして、油田、境界線問題、そして靖国参拝等、今後も実務レベルでこの友好ムードが一瞬にしてパァになる可能性も無いとは言えませんが、中国の首相があそこまで努力して友好姿勢を演じたメンツを潰すことはアジアの中で孤立しつつある日本はやるべきではないですね。
 
 売り言葉に買い言葉、どっちもどっち、疑心暗鬼、そういう言葉の深いところの意味をお互いに理解しうる遠い祖先のレベルの共感のようなものを今後の友好の芯として頼って行ければと願うばかりです。
 
 おいおい、えらい真面目やがな、今回。

|

« 懲戒免職? | トップページ | 蛆(ウジ)車 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

ビジネスライクな付き合いならOKだと思います。というか今更経済活動を切ることも出来ない状況ですし。
手のひらを返したような日中友好には、それなりの打算があるのは当然ですよね。

自衛隊の戦車が民主化を訴える東大生を戦車で踏みつぶしたら、日本は世界にまともに相手にしてもらえません。
まあ、今の中国は学生が民主化を訴える必要もないほど自由になったようにも見えますが、最後は武力で抑えるという本質的な部分は変わってないでしょうし、それは自国に対しても他国に対しても同じだろうと私は思ってます。

投稿: DS | 2007年4月14日 (土) 22時21分

本質的にはあの頃と同じでしょう。
何せ政治と経済主義が日本とは違いますから根本的には同一にはなれません。

ただ、異質なものでも共有できるものがあるならわざわざ捨てることも無い訳で、特にその右下の方にぶら下がってる困った国との対応にはもしかするとお世話になるかも知れませんからねぇ...
相手にしてもいよいよごまかせなくなって来た環境や公害問題でお世話になろうと思っているようですし、良い意味でお互い利用しあえれば良いのではないかと。

投稿: あやおば | 2007年4月13日 (金) 22時17分

18年前の天安門事件の頃と今とは中国政府は違うのか、それとも同じなのか?いつも思います。
たぶん本質的には同じだろうと思ってますが、どうでしょうね。

投稿: DS | 2007年4月12日 (木) 23時39分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: メンツの国:

« 懲戒免職? | トップページ | 蛆(ウジ)車 »