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時代は変わった

 トリノオリンピックも本当の終盤になってやっと日本選手が世界一の座に輝きました。
 恐らくは今頃日本にいる普通の日本人が妙にフィギュアスケートについて詳しくなっているのではないかと想像します。
 
 なんでも日本人がオリンピックの女子フィギュアで金メダルを取るの初めてで、少々意外でした。
 それ以前は銀メダルだった伊東みどり選手が最高で、そこから数えても14年ぶりだとかというのを聞いてその頃の事を思い出してしまいました。
 
 あの頃、伊東選手は世界に対抗するにはジャンプしかない、とそこに焦点を絞って世界に挑戦していました。
 でも日本人は背も低く、スタイルも当時の欧米の選手に比べるとずんぐりむっくり、要するに見た目と芸術表現でどうしても世界一になれない、という解説を耳にした事があります。
 
 それから14年。
 オリンピック以前から浅田真央人気もあって日本ではフィギュアの報道が多く、その時に荒川、村主、安藤などの代表選手の滑りを見て「日本人もめちゃくちゃ格好良くなったやんか」という感じていました。
 何よりオリンピックの表彰台で最後に同じ高さのところに三人が立った時、日本人の荒川選手が一番背が高く、アメリカ、ロシアの選手は太ももが太くてかつての日本人と入れ替わったかのようにも見えました。 この時荒川選手は175cmくらいあるのかなぁ、と思ったら165cmそこそこだそうで、なんと伸びやかに見える体型なんでしょう。
 
 最近の日本人女性の痩身願望は健康面から問題視はされているものの、贔屓目抜きで今や日本人選手の滑っている姿の方が文句なく美しいと言い切れます。 恐らくは他国のスケーターたちも日本代表選手を見てオリンピックに出る体力がありながらあの細さは何?と、焦っているかもしれません。
 そう、彼女たちは単に崩れた食生活の結果としてあの細さを得たのではなく、食うもの食って、気の遠くなる程の練習をしてあの体型な訳です。
 
 これはかつての日本人がずんぐりむっくりだったのと同じく、なかなか克服できない問題で、今回の荒川選手の金メダルをきっかけに、新しいスタンダードの一つが確立されたとも言える訳で、各国の女子選手はこの点苦労するのではないでしょうか。
 
 加えて、芸術的表現についてもメダルは取れなかったものの、村主選手のエモーショナルな滑りはまるで一つの短編劇を見ているかのような錯覚を観衆に与えていました。 新採点方法が厳密な課題をいかに優雅に見せるかに偏りがちななかで、彼女の方向性はまた別のものを心から楽しませてくれたと思います。
 
 他の分野では日本人選手は振わなかったものの、悲願だった体型の面では既に一部の分野では欧米を肩を並べるどころか、新しい基準を作るまでに変化したことが証明されました。
 今後はそれに見合った指導方法や環境を周囲が編み出す事で、またいつか他の分野でも日本人選手が活躍できるようになるという希望も見せてくれた女子フィギュアスケートでした。
 
 最後になりますが、失敗しても構わないとショートプログラムで四回転に挑戦し、そして残酷にも成功しなかった安藤選手のシーンを見て不覚にも目頭が熱くなってしまいました。
 この残酷さこそ神様がこの世にいる証拠なんだよなぁ、とつぶやきつつ目を逸らしましたが、なんか素晴らしかったです。

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受信: 2006年3月24日 (金) 12時45分

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