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夢のツケ

 最近アスベストが原因の健康被害が注目されています。
 個人的には今頃なぜ?というのが正直な最初の感想でした。
 
 というのはまだアスベストを石綿と呼んでいた頃、確か20年くらい前にその危険性が指摘され、建設現場やあらゆるところから新規採用の閉め出しを食らった筈なのに、という記憶があったからです。
 その後、しばらくの間、全く世間で報道されることも無く、それがなぜ?と思っていたら、どうやら懸念されていた発症期が始まったようです。
 そして改めて調べてみたら発症は今に始まったことではなく、既に数年前から製造関係はおろか、周辺住民にまで広がっていた、と。
 
 アスベストは物質としては非常に優れた応用範囲の広いもので、例えば自動車関係者に聞いたところ、価格、耐熱性、摩擦性能、鳴きの少なさ等、一時はブレーキパッドは石綿しか無い、という程の時代があったそうで、それが禁止されてから、また新素材を探して改善する作業に追われて大変だった、という事。
 その他にも、建設素材として軽量、断熱性、強度など、これまた非常に高い評価を得ていました。
 
 これで別途思い出したのがフロンガス。
 今でこそ地球温暖化の元凶のように言われていますが、かつてはエアコン等の冷媒としてはもちろん、発泡スチロールを膨らませるときのガス、電子基板の洗浄など、これも非常に応用性が高く、かつ廉価な夢の物質として重宝されていたのは皆さんご存知のところ。
 
 一時的にでも優れた素材という評価を得ると、利用度の向上とともに価格も下がり、するとまた新しい用途が生まれる、という風にどんどん拡大してゆき、ある日それが有害だった、と分かった時にはみんな「え...今更そんな事言われても...」と立ちすくむしかありません。
 
 何が言いたいかと言うと、今、何の問題も無く、「○○に高い効果がある」と用いられているありとあらゆる素材がいつ実はとんでもない悪質な物質だったと言われる可能性が無いとは限らない、ということです。
 もちろん人間はそういうリスクを背負いながら新しい素材を開発したり、逆に従来の素材の新しい利用方法を見つけ、そして時間とともに検証を重ねて来ている訳です。 どれもこれも怖いから、と開発を怠ったり、利用しなければ今頃はもっと総合的にネガティブな結果を招いていたかもしれません。
 マクロ的に見るとそういう結論に落ち着くものの、それで人生を台無しにされたとしたら誰に文句を言えば良いのか。 その時には誰もそれを悪いものだとは知らなかったのですから(総合的な話。有害性を指摘されていながら放置される場合は人災)。
 
 悪い事だと知りつつ悪事を働く人はまだ救いがあるそうで、一番タチが悪いのは、悪いと知らず悪事を働く人。
 最初から大量に使用すると人体に悪影響を及ぼすと分かって利用されている放射性物質などを前者とすると、アスベストやフロン等、思わぬ悪影響が後々で突然出て来るのは後者になるのかもしれません。
 
 ダイオキシン、活性酸素、H.I.V.等々、人類が生きている限り、ポジティブなものとは限らない未知との遭遇が続くと言う事か、と昨今考えているところです。

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