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紳助の話芸はいじめ

 最近ゴールデンタイムに島田紳助がよく出ている。
 例の吉本社員に対する暴力事件以前よりも、もしかすると露出が多くなっているのではないか?と感じるくらい。
 
 彼とほぼ同時期にデビューし、今でも最前線で生き残っているのは明石家さんまくらいだが、二人の芸風は対照的に感じる。 関西以外の人はどう感じられているかわからないが、私にとってはさんまの話芸はおちょくり、紳助の話芸はいじめだと映る。
 
 基本的に面白いネタというのは我々(特に関西人の)日常的会話も含めて、若干いじめ的な傾向があるのは事実だ。 しかしそこからどこまで引っ張るかで笑いの中の毒の量が変わってくる。
 例えて言うと、さんまはちょっとおしゃれをした女性に対し、「えらい頑張ってるやん、まつげ1cmはあるで。 今晩合コン? あ、持ち帰られ準備やね」という程度まで比較的古典的な下ねた方向で突っ込む。
 これに対して紳助は「えらい頑張ってるやん、今晩合コン? 無理無理、お前なんかなんぼ化けても無駄やで。男はだまされへん。」と徹底的に突っ込む。
 
 考えてみるとそういう点を意識してか、さんまほど紳助は一般視聴者を扱う番組には出ないような気がする。 相手が芸能人だからそこまで突っ込める、また見る方も安心してお約束事のぼろくそいじめが楽しめる、という図式が出来上がってるのだろう。
 いじめは人間の本能であり、どこかで健全にそれを吹き出させた方が良い、それを紳助は同じ芸能人を材料に代行しているのだ、という評価も耳にしたことがある。
 
 しかし、そういうテレビの制作側と、それに馴らされた視聴者のお約束事は子供にはわからない。
 テレビの内容が日々の生活に与える影響は大きい。 子供の世界にはお金と引き換えに徹底的にいじられる芸能人はいないのだ。
 そういう視点で紳助の番組を見ていると、関西の言葉っていつのまにここまで攻撃的になったんだろう、と嫌な気分になる。 もちろん家族が彼の出ている番組を見出すと、私は早々にその場を立ち去る。
 
 紳助は公開の場でよく泣く。 大概は自分が窮地に追い込まれたり、痛い所を突かれたときなのだが、例の社員に対する暴力事件の記者会見でも大泣きだった。 本人は説明しようのない気持ちが感極まって、と言う所だろうが、私にとっては気持ちが悪いだけだ。
 昔、「猿にもわかる...」とか言う題名のうんちく番組やニュース系の司会を彼がやりだした頃から、彼はインテリ意識に目覚め、それを隠さなくなったように思える。
 このとき私は、元は暴走族・ヤンキーネタで人気を取った芸人が、何勘違いしとんねん?と嫌悪感のようなものを覚えた。
 ここまで生き残った芸能人なのだから、勉強しているのはわかる。しかしそれを芸風ににじませるかどうかは別問題だ。 それぞれの記号を間違ってはいけない。
 
 今でも司会の端々に(彼はネタのつもりだろうが)そういう「俺は賢いんや」的な発言を入れ込むことがあるが、それほどの知性があるのであれば、第三者が聞いて納得できるだけの会見をあの事件後にするべきだっただろう。
 「泣いてごまかすなよ」
 
 たかがお笑いにそこまで突っ込むな、と思われるかもしれないが、人生の方向を変えざるを得ないくらい虐められてきた子供を専門学校で見ていると、安閑として見過ごすことはできないのだ。

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