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ガブとメイの結末

 例えば、ドラマが盛り上がったとき、民放得意の「この結果はコマーシャルの後!」と中断され、いらいらしながら待っていたら、コマーシャルの後、番組が突然終わっていたらどうでしょうか?
 
 何の話かと言うと、二年くらい前に娘が学校から「あらしのよるに」という絵本を借りて来たのが発端です。
 視界の悪い嵐の夜にお互いが狼と羊だという事を知らずに知り合い、その後、狼は羊を食いたくなる衝動と、羊は狼に食べられるのではないかと言う恐怖に苛まされながらも密かに友情を育てて行くと言う話でした。

 これが6冊シリーズで、徐々に二匹の関係がお互いの社会にバレてしまうようになり、最後は住んでいた森を追われる展開になるのですが、どういうわけか、娘の小学校には最後の6冊目が無いのでした。
 いつのまにか家族全員がハマっていたので、「学校の本棚をもう一度探せ」「先生に聞いてみろ」と娘にあれこれ言いつけるも、結局無いままに終わってしまいました。(本は借りたら必ず返しましょう)
 
 その時は相当いらいらしたものの、そうは言ってもそのうち借りた誰かが返してくれるかも、と待っているうちにこの話の事は忘れていきました。
 
 ところが、今日、学生の一人が課題を出し終わった後の空き時間に狐の写真を下絵にイラストを描いているのを見て、「なんかそれ狼みたいやなぁ」とふと口から感想が漏れたとき「あらしのよるに」を突然思い出したのです。
 加えてそれをぽろりと話したら近くにいた別の学生が「それ僕知ってますよ」という展開に。
 「二匹で森から逃げ出した後どうなったん?」と聞くと、その学生は気の利いた奴で、「それ、言っちゃって良いんですか?」と逆に聞いてくれました。
 一瞬躊躇して、「いや、ええわ、聞かんとく」と断ったものの、やはり結末は気になります。
 
 ということで、帰りに大型書店に行く用事を半ば無理矢理見つけ、絵本売り場で見つけてきました
 「シリーズあらしのよるに 第六部 ふぶきのあした 講談社」
 
 その書店は売り場の空きスペースに「座り読み」できるスペースがあるので、思わず座り込んで読みました。
 パラパラパラ...
 「う〜〜ん、そう言う結末だったか...」
 と唸りつつ、家族にも読ませる為にレジへ。
 
 まぁ、この物語を現代社会の様々な事に当てはめて解説する事も可能ですが、それは野暮な事でしょう。
 
 実は絵本だといっても必ずハッピーエンドにならないのが少なからずあります。
 例えば、最初は狐が食おうと思ってヒヨコをだまし、太らせてから食おうと餌をやっているうちにヒヨコが「きつねさんっていい人なんですね」と勘違いされ、その「いいひと」という甘い言葉の響きが忘れられずに最後は彼らを襲いに来た狼に狐が挑みかかり、死んでしまう、という話もありました。
 「でも死んだきつねさんは笑っていました」とかいう下りを読んで、何とも言えない気持ちになる訳ですが、そういう話も含めて絵本売り場にはいろいろな物語が並んでいて「わぁ、かわいい」と能天気に喜べない雰囲気があるなぁ、とふと感じた次第です。
 
 どうして子供の話の世界は荒唐無稽なんだろう?という長い間の疑問に少し答えが出た今日この頃なのですが、その話はまた機会を改めて...

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